76、統計とは(統計を考える)


人工知能と統計


人工知能の特徴は、階層的パターン認識にある。
対象を認識した後に何階層かの変換によって対象を識別する。その過程で何らかの学習機能を持たせる。これはベイズ統計のアルゴリズムに酷似している。

人工知能のアルゴリズムも基本的にはベイズ的である。
ベイズ的だから、人工知能は、進化しうるのである。データが完結したものであるのならば、人工知能は、ある一定の水準で成長が止まる。
人工知能が人工知能たりうるのは、日々、新たに入手したデータによって判断基準を更新する事が可能だからである。
人工知能の根底にあるのは統計、確率の論理である。

もう一つ重要なのは、人工知能は、パターンで対象を認識し、いくつかの階層を経てパータンで表現するという事である。
パターンで認識するというのは、認識から表現までの階層が構造的であることを示している。
また、パターンで認識するという事は、個々の局面における位相が問題となる。
典型的なのは、コンピュータ将棋である。一手一手指すごとに局面が変わり、位相が変化する。
これは単純なロジックでは解決できない。

入力と出力との間に、何階層かの中間層があり、そこでの変換の過程で学習機能を取り込んでいく。それが、人工知能の一つの形である。

統計とは合目的的な事である。
目的を間違えれば必然的に結果も間違ったものになる。

人工知能が人間の能力を超えて人間を支配するのではないか。
人工知能に支配されたら人間と必要とされなくなり、滅亡するのではないのかと危惧している。
愚かな事である。
人工知能といったところで幻想や妄想で動くわけではない。
人工知能が働くとしてもそれは、空想によってではなく。現実に基づいている。
現実に基づくというのは、初期設定や与えられた情報に基づくのである。
たとえ、それが人知を超えるレベルに達したとしても根源にあるものは同じである。統計である。
統計は、合目的的な事なのである。

仮に、人工知能によって人類が滅びる事があるとしても、その大元の原因は、人間にあって人工知能にあるわけではない。
人間は、神を越えられないし、被造物である人工知能も神を越えられない。
そのような事を怖れる者は、不信心者である。

人工知能が人間を超えるとしたら、人工知能が信仰を持った時である。
しかし、それはそれで人類に対する福音である。





ベイズ統計
確率と統計
確率と統計(教育)



参照
「道具としてのベイズ統計」 涌井良幸著 日本実業出版


       

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