76、統計とは(統計を考える)


誤差。統計は実証主義に基づく



統計は実証主義である。
実証主義というのは、自分の仮説、仮定を事実をもって立証する事を原則とした考えである。事実とは、観察や実験、調査に基づいたいた事象を言う。
観察や実験、調査と言っても恣意的な行為であり、客観的だという訳ではない。問題は、どこまでが恣意的で、どこまでが客観的事実に基づいているかであり、何もかもが客観的でなければならないというのは、僭越な事である。なぜならば、何もかもが客観的で自己の意志がないと前提とするのは、自己を否定し、自らを神にすることだからである。

統計とは、正常と異常、一般と特殊を見極める事である。見極めるというのは境界線を画定する事を意味する。どこに、線を引くかは、任意、即ち、恣意的な事である。

また、正常、異常の判別。正常値の妥当性、異常値の検出などを目的とした統計では、誤差の解析が重要な意味を持つ。統計とは、誤差をの範囲を特定する事だともいえる。

統計をやる人間の中には、全数調査が統計の究極的な到達点だと錯覚している人がいる。
しかし、全数調査が絶対という訳ではない。

統計には、例外や異常値、外れ値、特別値などがある。
統計で問題となるのは、異常値とか、外れ値などをどう扱うかである。
そのような場合、全数調査をしても意味がない場合がある。いずれにしてもいくばくかの誤差が生じるのは、大前提である。

何か立証しようとした場合、誤差や異常値、特別値の存在は重大である。要は容認できる値か否かである。その線引きを引くことによって統計は妥当性が認めらるのである。

何らかの基準を定めてその基準に基づいて基準となる分布を選択する。
要は母集合を標本から抽出することが目的である場合も考えられる。その場合は、むしろ全数調査でないことが望まれる事さえある。
問題なのは、何を最終ゴールとしているかであり、ゴールにたどり着くためためには、、どの様な前提に立つかの問題である。



ベイズ統計
確率と統計
確率と統計(教育)



参照
「道具としてのベイズ統計」 涌井良幸著 日本実業出版


       

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