76、統計とは(統計を考える)


時系列分析が表すのは変化の形である。



時系列分析が表すのは変化の形である。
変化の形から未来を予測し、それに備えるのが、時系列分析の主たる目標である。
その為には、変化の形から変化の実相をとらえ、変化を引き起こす要因や構造、因果関係を明らかにする必要がある。

時系列データが扱う現象には、第一に自然現象か、社会現象か。第二に、規則的現象か、不規則的現象か。第三に、制御可能な現象か、不可能な現象か、第四に不可逆的か、可逆的データかによって違いがある。

自然現象には、天気予報、台風の経路、気温の変化等が代表的な事である。
社会現象には、人口の推移とか、経済の動向などが典型的な事である。

変化の形には、規則性の有無、傾向、構成・構造、推移、方向等がある。
規則性には、周期的変化と非周期的変化がある。
また、周期的変化には、収束型と発散型がある。

周期的変化というのは、一定の周期を繰り返す変化を言う。
季節変動は、周期的変化の一つである。
周期的変化では波の形が重要となる。
周期的変化の本質は回転運動である。故に、周期的変化の背後には何らかの回転運動が隠されている。

制御が可能、不可能は、管理可能、不可能な問題でもある。
変化の制御の仕方には、内部の力、仕組みを操作する手法と外部の力によって制御する手法がある。
自動車の仕組みを知って運転するのは、内部の力によって制御する事を意味し、法や信号によって交通を規制するのは、外部の力に基づいて制御する事である。
経営分析は、一般に内部統計が基本であり、市場調査は、外部統計が基本である。
内部統計、外部統計とでは、目的も対象も手法も、考え方も違ってくる。

一般に時系列分析の最終的目的は、変化を予測し、制御できるようにすることである。
地震予知などはその典型である。

変化を予測し、変化を制御できるようにするためには、まず何が確かなのか、そして、何を制御する事が出来るかを明らかにする必要がある。確かな事から不確かな事を類推し、制御できる部分によって制御できないところを調整する。それが統計の目的である。
確かな事というのは、過去の事実と現在の状況である。つまり、統計、確率というのは、過去の事実に基づいて現在置かれている状況から将来起きる事を予測して対処する為の手段と言える。

不確かな事に対して対処するからと言って不確かな事を対象としているわけではない。制御できないからと言って制御する事を諦めたわけではない。この点を注意しないと統計の意味は理解できない。

規則的変化が引き起こされる為には、規則的変化を引き起こしている要因、仕組み(要因と要因の力関係)、場の力の作用のいずれかが働いていなければならない。
その要因や、仕組み、場の力を解明するのが時系列分析の当面の目的となる。

そこで活躍するのが、相関関係分析、即ち、回帰分析や重回帰分析である。
回帰分析を行うためには、まず平均値を出さなければならない。回帰分析では平均値は直線軸となる。そして、その平均値からの偏差にもしづいて相関関係の傾向と強さを導き出すのが回帰分析である。

振動や分散のある変化は、中心を定めてその中心に沿って変化を滑らかにする。
その手法の一つが回帰分析である。

不可逆的データは、一方通行なデータである。

変化を制御するためには、変化とは何かを理解する必要がある。





ベイズ統計
確率と統計
確率と統計(教育)



参照
「道具としてのベイズ統計」 涌井良幸著 日本実業出版


       

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