85、夢が見たいんです


私は、夢を語りたいのです。夢を語り合いたいのです。
私の子供の頃、皆、貧しかったですけれど、大人達は夢を語り合っていました。
目をキラキラとさせて夢を語り合う大人達を見て僕は育ってきました。今から考えるとつまらない夢かもしれません。例えば、マイホームを建てたいとか、マイカーが欲しいとか、テレビが買いたいとか、洗濯機や冷蔵庫を女房のために買って少しは楽させたいとか、熱海に行って一日ゆっくりと温泉に浸っていたいとか、天丼が食べたいとか、とにかく腹一杯飯が食べたいとか…。
でも、腹一杯ご飯が食べられる、なぜか、皆、夢を語らくなってしまった。
裸電球、六畳一間のミカン箱、バラックの様なアパートから新生活を始めたというのに、皆、目をキラキラさせながら、いつかいつかと夢を語っていました。
千歳商会の笹野会長と我が家にスタンドの連中は、住み込みで働いていましたから私たちは現場の人間と寝食を共にしてきました。
そんな時、笹野会長は、社員全員に家を待たせたいとう夢を持っていました。
でも、夢が実現してしまうと皆目標を失い。いつの間にか夢が欲に変わってしまいました。
その果てにバブルが起きたのだと思います。バブルとは、夢と言うより幻。
この国をどうしたいのか。プロパンガス業界をよくするためには、何をしなければならないのか。自分は、この業界の夢について語り合いたいのです。
顧客優先とか、顧客本位といまさら言いますが、そんなことを言わずとも、世の為、人の爲、仕事を通じて地域社会にいかに貢献するか、国のために少しでも役に立ちたいと一心に思えば、自ずと顧客本位になったものです。

我が国は、今、重大な岐路に立たされています。
嵐の前の静けさとますか、一見、万事が穏やかに見えますが、財政は何ら解決の糸口が見いだせず。日銀のゼロ金利政策に対する出口戦略は全く示されず。市場は成熟し。海外では、保護貿易主義が台頭し貿易戦争の様相を呈し始め。異常気象は顕在化し。北朝鮮問題は、何も解決しておらず。国際石油市場は混沌としてきています。
これ程、問題が山積しているというのに、国会でも、マスコミでも財政問題も、金融政策もどこかに置き忘れています。
今の日本にとって何が一番重要であり、なにを解決しなければならないのか。
最近、不発弾と言うテレビドラマを見ました。処理できなかった不良債権が不発弾と化し、何らかの衝撃によって突然破裂する。今の日本の最大の不良債権、即ち、不発弾は、国債です。国債の処理を誤れば国家を土台から覆し、独立まで危うくしたしまうほどの大事です。なのに、政治家は、与党も野党も国債の問題をそっちのけで、やれセクハラがどうの、忖度がどうのと…。決して女性問題を軽視するわけではありませんが、ただ財政は国家存亡にかかわる問題です。優先順位を間違っていると言いたいのです。
経済を健全にするためには、有望で良質な貸出先を見つける事です。その根本は、国家国民にあります。この国のために役立つからこそ、健全な貸出先、投資に結び付くのです。単に金儲けを目的としていたら、結局バブルの二の舞になるだけです。
経済破綻は、じわじわとくることが予測されます。最初は、好景気を装いながら物価や金利が加速していく。だからこそ、明確なビジョンを持ち、状況に合わせて適切な投資をする以外に難局を乗り切るすべはないのです。
エネルギー問題も然りです。エネルギーの本質は、安定供給であり、省エネルギーであり、価格の安定です。
ところが原油価格は、不透明ですし、原発問題も片付いていない。再生エネルギーにも限界が見えてきた。
ゼロ金利が長く続いたせいで皆金利に鈍感になっているように思えてなりません。バブルや狂乱物価を経験した我々は、金利の怖さが身に染みています。
急速に、物価が上昇して来たら必然的に金利も上昇してきます。その時、問題になるのは、つなぎ資金です。資金計画をもう一度見直しておく必要があると思います。
その為にも、しっかりと足元を固めておく必要があるというのに、安売りや競争に頭に血が上り、目先の利益ばかりを追い求める。
この様な時代に、なぜ、規制緩和し、競争を煽り、エネルギーを自由化する必要があるのでしょうか。エネルギー業界をどうしたいのか。それが見えてこない。先の見えない競争は、不毛な争いである。
少子高齢化時代が叫ばれているというのに、財政が破綻し、あるいは、ハイパーインフレなどという事になれば、年金も、介護も、医療も全てが破綻してしまう。しかも、税負担も課題にならざるを得ない。
どんな政策でも地域社会にいかに貢献するかです。その観点がなければ、何の意味もありません。国のために、どれだけ役に立てるか。地域社会にどれだけ貢献できるかの視点のない経営は、罪悪でしかありません。
地域社会のために必要ならば、規制も緩和し、競争もし、自由化も結構です。
競争、競争と競争を原理の如く言いますが、規制を緩和し競争を促した石油業界は、寡占状態になり、実質的に競争は抑制された。これでは、競争をなくすために規制を緩和したと言われても仕方がない。何が競争の原理なのかわからない。
競争力、競争力と言いますが、規制を緩和し、過当競争をし、自由化をすれば本当に競争力がつくというのでしょうか。
また、何に対する競争力をつけようというのですか。
国内の同業他社ですか。海外の競争相手ですか。
自分にわからない。意味不明です。
今の日本では、国のためなどと言うと、何を時代錯誤しているのか、右翼なのか、思いあがっているのではないのか。何様だと思っているのかと侮蔑されるのがオチです。
しかし、私は、我が国のために戦い死んでいった無名戦士にのみ忠誠を誓います。
今の日本人に彼等の悔しさはわかりますまい。彼等はこんな日本にするために死んでいったわけではありません。
笑わば笑えです。私は、血の一滴まで日本男児です。
大企業の経営者ですら、この国を見限り、この国の未来に対して責任を持った発言をしようとすらしない。
経営戦略を語るならば、先ず、この国の未来に対して、エネルギー業界の一翼を担う者として自分たちの果たすべき責任、使命は何か。それこそを語るべきなのです。
大企業から見ればちっぽけな一捻りで潰せる存在かもしれません。
しかし、一寸の虫にも五分の魂。かつて、この国を守り、世界が、アジアが欧米人に支配されようとした時、唯一立ち向かっていった日本人の末裔として引き下がるわけにはいかないのです。
心底この国の未来を、子孫のを想い。彼らのために自分たちが何をできるか、その考えの果てに、経営戦略を立てて行くのが我々に課せられた使命です。
地域社会に貢献をする事を忘れたら。ただ、目先の利益にのみ拘泥したら、そのような経営戦略など何の役にも立ちません。
なぜなら、エネルギー産業は、国家国民がいて、地域社会があってこそ成り立っているのですから。
自分は、社員達が夢を語り合えるようになってほしいのです。夢を語り合える人たちと出会ってほしい。それだけですね。どんなに辛い時でも、苦しい時でも、一心同体に夢や志を共にできる仲間や部下がいれば耐えられるものです。でも、どれほど成功し、栄達を極めてもともに喜んでくれる者がいなければ、成功が大きければ大きいほどかえって虚しくなるものです。
苦節は共にできても栄辱は共にできないとも言います。いい仕事をいい仲間とする事、それこそが最高の人生だと私は信じています。

神も信ぜず。国に忠誠も誓えなくなれば、金と権力しかなくなる。それが今の日本人であり、日本人の価値観の基本なのである。
今の日本人は、所詮金か権力かそれしかないのである。
それは、テレビドラマや小説、映画を見ればわかる。金と権力の亡者か、それを批判するだけなのかそれだけの事である。
暴力を礼賛しているコメディアンが、平和を唱え。そのコメディアンをオピニオンリーダと追従するしかないメディアが現在の日本の姿である。
どんな不道徳な映画でも、ヒットすれば容認される。それが何よりの証拠である。



       

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