58、組織の経済性



組織は、情報系である。
故に、組織の経済性は、情報の伝達速度、情報の伝達範囲、情報の質と量、密度によって測られるべきである。

よくスケールメリットと、組織は、規模が大きければ大きいほど、効率がいいというように思われがちであるが、組織の効率性は規模だけでは測りきれない。
なぜならば、組織は情報系だからである。
情報の経済性は、規模によっては測れないからである。

規模が大きくなればなるほど、全体に情報が伝わる速度、伝達範囲、情報の質や量に偏りが生じるからである。
必要な個所に必要な情報を必要な質と量を伝達するという事が難しくなる。
情報の経済性は保つためには、適正な規模を維持する必要がある。

また、情報の精度を上げるためには、相互牽制が働いた方が効率的である場合がある。
それ故に、適度な競争は、組織の効率を上げる。

情報の伝達手段としては、ネットワークや階層的伝達手段がある。
階層的伝達手段の一つとして組織がある。
組織伝達手段の多くは、ツリー構造による。

ツリー構造は、一定の階層を超えると伝達速度も、伝達範囲も、伝たちの質も量も落ちる。

組織は過程を体系化したものである。

組織は、状況、段階、過程、環境に応じて変態する。

仕事の打ち合わせでは結果より段取り手順といった過程を重視しなければならない。なぜならば、結果は操作できないが、過程は、操作することが可能だからである。

予算や目標、方針は、結果ではなく指針である。予算や目標、指針を結果が出なければ決められないというのは大変な錯誤である。

組織は、集団活動である。
組織は、合目的的体系である。

最近、組織の運用術ばかりが重んじられて、基本原則が蔑ろにされる傾向がある。組織の運用術は、組織の基本原則が熟知され守られていて初めて効果を発揮する。

組織的意思決定の系統と指示命令系統は必ずしも重ならない。
なぜならば、組織的意思決定は、分業に基づいてなされるが、指示・命令は系統的になされるからである。

権限を委譲されたからと言って勝手な判断、勝手な行動が許されるわけではない。権限は、固有な力でなく、組織的な力だからである。

組織においては、正当性を著しく欠いたり、指揮者が正常な判断を下せないと認められた場合を除き絶対的な服従が要求される。
指示・命令の不履行、抗命は最も重い処罰を受ける。




       

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