76、統計とは(統計を考える)


母集団の役割


母集団は、統計や確率の基礎となる集団である。
つまり、母集団の性格や形が統計や確率の働きを制約している。
母集団の設定を間違えると統計や確率の精度は落ちる。
ある意味で母集団をどの様に設定するかが、統計や確率の成否を決定づけると言える。

母集団は、目的や前提条件に応じて想定される。目的や前提条件によって母集団の想定の仕方は違ってくる。
故に、統計や確率は合目的的な手段だと言われるのである。
母集団が想定されたら、次に、目的や前提条件に応じて母集団を分析する。

母集団は、前提条件によって違ってくる。
第一に、母集団が何によって構築されたかである。第二に、母集団を構成するにあたっての前提条件である。第三に母集団の状態である。
母集団が何によって構築されたか、そのカギを握るのは、母集団を構築するための手段である。つまり、何によって母集団は構築されたかである。調査、観察、実験によって構築されたのか、部分から導き出されたのか、理論的に導き出されたものなのか、手段が重要な意味を持つのである。
母集団を構築する手段としては、実体的手段と観念的手段の二つがある。
実体的手段には、全数調査と標本に基づくものがある。そして、導き出された手段によって母集団の性格にも違いが生じるのである。

また、何を前提として構築された母集団なのかによっても母集団に性格に差が生じる。
無風状態でとられた記録と強風の中でとられた記録では違いが出る。
早朝の通行量と昼間の通行量には違いがある。この様に時間帯によっても違いが生じる。
無記名でとせれた記録と記名でとられた記録とでは違いが生じる。
電話を使った調査か、インターネットによる調査か、手紙によるのか、面接によるのかによっても差が出る。
何らかの基準に基づくのか、無作為なのかによっても違ってくる。
また、前提条件で一番重要となるのは、データの数である。
前提条件によっては決定的な差が生じる危険性がある事象もある。

母集団の状態によっても結果に違いがでる。母集団の状態とは、均質であるか、偏りがあるか、離散分布であるか、連続分布であるか、どの様な分布をしているのか等である。
この様な前提条件によって統計や確率に微妙な差が生じるのである。

母集団の性格や働きを明らかにするためには、何らかの基準となる数字を決めなければならない。基準となる数字を母数、パラメータという。
母数で代表的な平均値や中央値、頻度といった代表値である。

確率的に値が決まる変数を確率変数という。




ベイズ統計
確率と統計
確率と統計(教育)



参照
「道具としてのベイズ統計」 涌井良幸著 日本実業出版


       

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