73、なぜ、規制を緩和する必要かるのか

エネルギー自由化する必要があるのか



電力とガスの自由化が、電力会社やガス会社の収益を低下させることは必定だから、海外進出を促し競争力をつける政策をとる必要があると政府が言っているという訳のわからない事をテレビのニュースで流していた。
まず第一に、電力やガスの自由化をすれば電力会社の収益が低下することが事前にわかっているとすることの意味が分からない。そのうえで、だから電力会社やガス会社の海外進出を促す必要があると言う点、更に、何に対して、なぜ競争力をつける必要があるのか。大体そこには消費者の要望がどこにもないのである。

なぜ、電力会社とガス会社の収益をなぜ低下させる必要があるのか。また、なぜ、エネルギー関連会社を海外に進出させる必要があるのか。もし仮に、国家戦略でエネルギー会社を海外に進出させる必要があるからエネルギー関連会社の収益を悪化させるというのならまだ納得できる。しかし、それでも、東京電力は、福島原発に対する補償問題を抱えていて収益を悪化させられたらただでさえ混迷している経営が立ちいかなくなる危険性すらある。

総所得は収益を拡大しなければ増えない。金利をいくら下げようと、お金をいくら市場に供給しようが収益が伸びなければ総所得は増ええないのである。だからこの時期、主要産業の電力やガス会社の収益を圧迫する政策をとる目的がどこにあるのか。収益が悪化することは明白で、予めわかっているというのだから理解に苦しむ。
つまり、電力やガス会社はもうけ過ぎだからペナルティをかそうというのか。しかし、東京電力は、それどころの話ではない。

また、根本に金儲けは悪いという発想が見え隠れする。
だから野党もあえて反論しないのかもしれない。しかし、エネルギー戦略を誤れば日本は立ち直れないほどの痛手をこうむることになる。

また、収益が悪化したらなぜ海外へ進出しなければならないのか。

競争力をつけると言うが、何に対して、どの様な競争力を付けなければならないのか。なぜ、競争力をつける必要があるのか。
そして、電力会社やガス会社のどこをどう効率化するのか。何を効率化せよというのか。効率化することで何を期待しているのか。

エネルギーは国家戦略の問題である。国家戦略としてエネルギー政策をどう位置づけているのか。
国家戦略のどこからエネルギー自由化は出てくるのか。

よもや規制緩和、自由化、競争の原理ありきといった短絡的発想からエネルギー自由化を推し進めているわけではないだろうかと言う穿った見方さえしたくなる。
エネルギー戦略を間違えば国家の衰退を招く。安易な考え方でエネルギー政策を語るべきではない。
もし、根拠があるというのならば、その根拠を明確に示すべきである。





       

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