6、お金持ちについて


我々は簡単にお金持ちと言うがお金持ちと言ってもいろいろな意味がある。

金持ちとは言うが物持ちとはあまり言わない。
なぜならば、現代で裕福な基準は物ではなく金だからである。
故にも基本的に裕福な人は、金持ちという事になる。
されに言えば人持ちと言う事もない。
現代社会ではいくら優秀な人や心豊かな人と関係があったとしてもそれを豊かだと考える基準がないのである。

故に、現代で豊かさを表す基準は金であり、豊かな人を指す言葉は金持ちである。

金持ちの基準に長者番付というのがある。かつての長者番付は納税額が基準だった。
世界長者番付では、資産が基準だという。

納税額を基準とすると所得税を基準とされる。所得税の中には、土地や資産、相続税なども含まれる。
逆に、会社を作って所得を会社に付けてしまうと個人としての納税額が格段に下がってしまう場合がある。
会社のオーナーの中には、所得は小さいが、会社の資産を自由に使う事で、自分の自由になる資産や所得を沢山持っている者もいる。
こうなると金持ちというのは、会計的に自由に使える資産や所得を沢山持っている者を指す事になる。

会計的に言うと金持ちには、資産家と高所得者のに種類がある。

バブルの時代は、特に、資産家の貧乏人が多く生まれた。地価が異常に上がった為に、資産家にはなったが収入が少ない為に、かえって生活かし辛くなったのである。
いくら資産価値が上昇しても現にそこに住んで生活をしているから売る事ができない資産もである。
売るに売れない土地に住んでいて、所得は変わらないか、減ってしまう。
こういう人を金持ちというのは気が引ける。
どちらかというと貧乏人である。
貧乏だけど資産家なのである。
逆に言えば資産家だけど貧乏なのである。

相続税の本質を考えると土地や資産というのは、国から借りているのに過ぎないとしか思えない。

では、高所得者を金持ちというのであろうか。
現在、高額納税者を金持ちだと考える風潮はある。

しかし、所得があるだけでは金持ちだとは言わない気がする。

本当の金持ちというのならば、自分が自由にできる金を沢山持っていて、しかも、資産を多く所有する人を指すのであろう。

いずれにしてもかつてのように金持ちというのを単純に規定する事は難しい。

金持ちの基準というと豊かさの基準だと言う事になる。
そうなると豊かさとは何なのかと言う事が問題になる。
金があれば豊かになれるのだろうか。それが問題なのである。

金持ちというのは結果であって、目的ではない。
なぜならば金を儲ける事は、手段であって目的ではなく、金を儲けた結果金持ちになるのである。
マックスウェーバーは、ピューリタンは、勤労を重んじて質素倹約を旨としたから結果的に金持ちになったと言った。
つまり、勤労、質素倹約という行動規範があってその規範を誠実に実践した結果、金持ちになれたのである。
この事は、重要な意味を持つ。
金持ちになろうとしても簡単にはなれない、それよりも真面目に生きてきた結果として幾ばくかの資産が残せるのだと考えるべきなのである。
そう言った生活を何世代と亘って累積した結果金持ちというのは成立するのである。ただ、結果として金持ちの家に生まれた者は、自分の先祖の遺産を受け継いで生まれながらに金持ちだと言う事である。そこが問題なのである。不公平感が生じる原因でもある。



       

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