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Copyright(C) 2001 Keiichirou Koyano

 産業は、基本的に企業の集合体である。企業は、産業を構成する要素、部分であり、産業は、何等かの共通項によって結び付けられた企業の集合体の全体である。この企業は、独立した存在であり、内的な独立した全体、空間を持つ。また、同時に、産業から企業を見ると全体を構成する部分であり、全体の法則に従って機能している。つまり、企業は、内的空間と外的空間の双方を持つ存在である。
 故に、産業は、産業を構成する個々の要素である企業の内的構造と個々の企業を関係付けることによって生じる外的構造とからなる。

 内部経済と外部経済が存在する関係で、企業の業務の範囲と境界線が重要となる。この範囲と境界は、階層的な構造になっている。

 又、産業を構成する企業は、各々が独自の判断で企業集団を形成する事が可能である。

 企業の内的構造とは、組織構造であり、外的構造とは市場構造である。この内的構造と外的構造の連続性が重要な鍵となる。

 組織構造と市場構造とは明らかに違う。分配機能から言えば、組織的構造は、内的な基準に基づく分配機構を持つのに対し、市場構造は、市場のルールに従って間接的、機構的な衡平に分配する。

 個々の要素を関連付けるのは、場の法則である。当然、外部経済に属する要素は、外的な法則、内部経済に属する要素は、内的な法則によって制約を受ける。

 企業間を結び付ける関係には、資本的関係、金融的関係、取引的関係、法的(公的)関係などがある。
 企業間を結び付ける関係で一番強固なのは、資本的関係であり、次ぎに、金融的関係、そして、取引的関係、法的関係と続く。この関係の強さの序列は、資金的な繋がりの強さによって左右される。

 企業間を結び付ける関係は、基本的に双方向の働きを持っている。
 物的な関係、貨幣的関係は、反対給付を伴うのが常である。ただ、公的関係の中には、れいがいてきに反対給付を伴わない関係もある。

 個々の要素は、内部利益の最大化を目標として行動する。又、企業活動の原動力は資金である。資金が廻らなくなると企業活動は停止し、最悪の場合、解体する。その規範は、会計的規範である。

 外的、内的な構造は、第一に、場を支配する法則。第二に、個々の要素が作り出す全体、即ち、形態。第三に、個々の要素の機能、働きによって構成されている。
 故に、産業の特性を明らかにしようとした場合、第一に、産業を構成する場の法則。第二に、企業集団の形態。第三に、個々の企業の役割を解明する必要がある。
 これは、企業の位置と運動と関係に相当する。

 産業や企業は、経済活動、経営過程を通じて、財の生産と資源の最適な配分をすることを目的としている。即ち、産業とは、財の生産と資源の最適な配分を目的とした企業集団である。

 この様な産業の中でいっていの関係が特定されることによって個別の業界が形成される。

 産業は、企業の塊、群である。それ故に、集合体としての特性を持っている。一種の集団心理である。個々の企業は、独自の規範や目的を持って行動していると言ってもその基本となる前提が共通していれば自ずと行動は制約される。
 また、相互作用や相乗作用もある。乱売合戦が始まれば、それが瞬く間のうちに伝染したりもする。また、長い間の慣習や慣行が業界特有の体質や価値観を形成していたりもする。そう言ったある種の文化は経済において無視しえないことがある。また、個々の企業では対応しきれない部分もある。
 会計処理などで公式的な処理として定着しているようなものすらある。それが、その業界にしか通用しないような常識になっている場合すらある。そうなると始末に負えない。

 この様に意識せざる所で形成された構造の影響を完全にぬぐい去るのは並大抵のことではない。

 集合の定義や前提条件を変えただけで産業の構成が変わることもある。しかし、その様な前提条件や定義を変えて産業を解析することは、産業の構造や機能、役割を解析する上で有効な手段である。
 楯系列で見るか、横罫列で見るかによっても違ってくる。例えば、家電の量販店を小売業界としてみるか、家電業界としてみるかによってその機能や構造の評価が違ってくるようにである。それらが統計や分類に重大な影響を与えたりする。当然景気の動向や予測に重大な影響を与える。

 故に、業界を分析する時は、前提条件や目的をよく確認し、目的に合わせた定義をする必要がある。

 石油業界と一口に言っても裾野は広い。石油業界は不況だと言ったもどっこからどこまでを指して言っているのかを明らかにしないと実体を反映しているとは言えない。不景気なのは、メジャーなのか、石油精製業界なのか、輸入業者なのか、販売業者なのか。また、販売業界でもスタンドを指しているのか、それとも特約店なのかでも違う。利益がどこかに偏っている場合もあり、川下は不景気でも川上は景気がいいという例もある。また、採用されている会計方針や経営形態の違いも留意しなければならない。

 要するに、企業群としての業界を見る時は、全体像を俯瞰、鳥瞰してみる必要がある。中には、構造的な問題を抱えている産業もある。構造不況業種などがそれである。この様な産業は、一企業だけを見ても問題を把握することはできない。一体何が原因なのかをよく見極めることである。
 木を見て森を見ずにならないようにする必要があるのである。業界全体の利益は、一律ではなく。構造的であり、それが適正な分配になっているかどうかが問題なのである。同様に、市場の状況も独占的と一口に言うが、例えば、石油業界のように、川上の市場が独占的であっても川下の市場は過当競争気味であるという例もあるのである。

 

企業群としての業界