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 産業を考える場合、国内環境は、重要な要素である。国内環境を構成するのは、一つは、地理的な条件である。第二に、歴史的条件である。第三に、文化的要件である。第四に、政治的な要件である。第五に社会的要件である。

 地理的要件と言っても一つではない。その国の位置から来る要件と地質的、つまり、地震発生地点だとか、気候的要件といったものを指す場合と地形的な要件、日本でいえば島国と言った要件、そして、人口や主要都市、産物と言った国勢的要件といった多岐にわたる。
 歴史的要件にも、政治体制、貨幣制度や金融制度の歴史、交通の歴史といろいろなよう差が組み合わせて今日の産業を作り上げている。
 文化と言えば、言語、宗教、教育、風俗、習慣、食文化など経済に与える影響は大きい。

 この様に一つの国家でも、いろいろな要素が組み合わさって、独自の産業を築き上げているのである。産業は、偶然に作り上げられたものではない。

 日本は、アジア大陸の東端ある南北に細長く弧を描いている列島国家である。気候は、亜熱帯から亜寒帯までと幅広く位置している。かつては、黄金の国と多くの金や銀、銅を産出していたが、現在は、めぼしい鉱物資源ない。日本は、米を主食し、魚介類や野菜を中心とした文化である。明治維新前は、基本的には、肉食を禁じた菜食文化である。
 人口の多くは、日本人である。言語的には、日本語を公用語としている。少子高齢化による人口の減少が問題となっている。政治的には、長いこと保守系の政党である自民党が政権を担ってきた。
 こういった基本的な要件が産業の基礎前提となる。

 この様な国内環境は、経済構造や経済状況に決定的な影響を与えている。ところが、多くの経済学は、経済を普遍的なものとして、この様な個別的要件を殊更避けてきた。その為に、経済学に現実性が乏しくなってしまったのである。

 英国やアメリカの経済政策や経済思想をそのまま日本の現在の経済に当て嵌めようと言うのは、無謀であり、横暴でもある。個々の国や地域にある特殊性を無視するわけにはいかないのである。

 砂漠の国には、砂漠の国の経済があり、イスラムの国には、イスラムの国の経済がある。経済というのは、それぞれの民族国家が持つ、固有の文化に根ざしているのである。

 現在、国際化が進み。グローバル化が叫ばれている。しかし、それでも尚、各国間にある文化的、制度的壁はまたまだ厚い。これら、文化的制度的壁の存在を前提としてその融合に努めるべきなのである。

 日本人は、自分達の置かれている環境を直視する必要がある。日本は、四方を海に囲まれた島国である。そして、めぼしい物資にも恵まれていない。食糧の自給率を極めて低い。
 だからこそ、富国強兵を国是として産業の育成に努めたのである。
 その思いが行きすぎた時、戦争を引き起こし、また、公害に苦しめられた。しかし、厳然たる事実は事実である。その事実を正しく認識し、産業のあるべき姿を模索しない限り、我が国に明日はないのである。
 ただ、企業の効率化を計り、生産拠点を海外に移せば、日本の産業は空洞化し、雇用が危機に陥る。アメリカやオーストラリアのように資源大国とは違うのである。我が国は、資源を輸入し、それを加工して輸出する以外に生きる道はないのである。

 そのうえで、交易、自由貿易を堅持しないかぎり、日本経済は成り立たないのである。

 日本の産業は、また、雇用は何によって立つべきなのか。つまり、日本人の仕事、日本人の労働は何によるのか。それを見極めることが肝心なのである。それを前提してない経済論議は、机上の空論である。

 日本の独立は、経済の在り方で決まる。
 

国内環境