前略 私は今まで一人で戦ってきました。私たちは、この国を守らなければならないのです。命がけで・・・。

今の日本で一番深刻なのは、世界が日本を見捨てようとしている事です。

現代経済の最大の問題点は、人がいないという事ですね。一口に、人、物、金と言うが、物と金はあっても人が不在だという事が現代経済を不毛にしているのです。

経済とは、人が生きるための活動です。人がいない経済では、人は生きられない。人が生きられない経済なんてまったく無意味です。
現代の経済が人のためでなく。物や金のためにあるからです。
物を生産するために、人々の生活が犠牲になったり、お金のために、人々が破滅していってします。生産効率は上がっても分配効率が下がったのでは意味がありません。
金を儲かっても人々の暮らしが成り立たなくなったのでは本末転倒です。
経済は、本来、人、物、金の調和の上に成り立っている。人、物、金の働きを均衡させようとする事で経済は動いているのです。
経済とは、人生そのものなのですね。

経済は、人の一生に合わせて動く事象でなければならないと思うのです。
生まれて、学んで、社会人となり、やがて結婚して、子供を産んで、育て、そして、死んでいく。その間に病に倒れたり、家を建てたり、いろいろな人との出会いがあり。人には、それぞれの生き方があり、それぞれの家族があります。その人の生き様が経済を動かしていくのです。
人、物、金の働きを調和させる仕組みこそ本来経済が求めるべきあり方なのだと私は思うのです。人や物や金の働きが不均衡になった時、力でそれを強引に調節しようとすれば戦争になる。結局、戦争は、経済の延長線上にあるのです。戦争をなくしたいと思うのなら、まず、経済の仕組みを整える事です。

問題点の一つは、財政、会計、家計との間に制度的連続性がないという事です。当然制度的整合性もない。その為に、税制が折衷的な制度になってしまいます。
財政、会計、家計の間に制度的整合性がないと税の効果、即ち、税が会計や家計のどの部分にどの様な作用があるのかの因果関係が断ち切られてしまう。さらにそれは、税制度が生産や消費の局面に対してどの様な影響があるのかを不明瞭にしてしまういます。経済にたいする税制度の直接的な影響を、測定することがむずかしくなります。
また、財政、会計、家計情報に整合性がないために互換性がないという事にもなるのです。

現代の経済で問題になるのは、経済の専門家は、会計に詳しくなく。会計の専門家は、経済を知らないという事です。

財政問題は、制度の整合性をとって期間損益主義の観点から見直さないと分析はできません。
また、重要なのは収益にあるという事を忘れてはなりません。

借金や費用を全て切り捨てたら成り立たないのが現代社会なのです。なぜならば、借金や費用を全て清算したら、資産も、収益も、所得も同時に消え失せてしまう。そういう仕組みに現代の経済構造はなっているのです。
資産は、投資の結果生み出された生産手段である。投資は、債権と債務を同時に同量派生させるのです。それが根本の原理です。
借金や費用の背後には、資産や収益、所得が隠されているのです。だから、借金や費用をいたずらに清算することばかりを考えるのではなく。借金や費用をバランスよく制御する事を考えるべきなのです。そして、そのために必要なのは、仕組みです。

負債というのは、核の廃棄物に似ています。原子力も、借金も、現在の効用、利便性を期待するのならば、長い期間、マイナスに働く、負の働きをどう制御するかを考えておかないと制御する事ができなくなります。負債の働きは、先送りできないのです。さもないと将来に、負担しきれないつけを回しかねないのです。

私は、規制緩和の意味がわからりません。
意味不明の事を言ってそれをあたかも原理だと振りかざすのは狂気です。
規制緩和というのは、全ての規制を撤廃しろというのか、それとも、規制の数を減らせというのか、あるいは、規制を時代や環境の変化に合わせて変更しろというのか、判然としていないと思うのです。極端な規制緩和論者のいう事は、規制は邪悪のものであり何が何でもなくしてしまえと言っているようにも聞こえます。しかし、それは、無政府主義であって真の規制緩和とは違う。また、何の意味もなく、規制が多すぎるという理由だけで、規制の数を減らせというのは理不尽です。
競争は、ルールがあってなり立つものです。ルールのない争いは、競争ではなく、闘争であり、殺戮です。無原則な競争なんてあり得ない。

同様に、保護主義が悪いと決めつけるのも意味不明です。保護主義と言うが、何から何を保護するのかが、判然としていない。
関税だけで市場を保護しようとする事自体間違っている。むしろ、関税だけで市場を保護しようとする事が無謀なのです。
日本の食は安全規制が重要なのです。そのためには、市場に規制をかけるのは当然です。
食は、国民の健康と食文化の維持を第一に考えるべきなのです。
そして、そのために、国は、集中的、戦略的投資を行うべきなのです。
人口爆発によって食糧難、水不足は目前に迫っています。
国防という観点からしても食料産業や食料投資の根本を見直すべき時なのです。そこを見据えて各国と交渉しないと先は見えてこないと思います。関税ばかりに特化してしまうと取引の材料を失い、八方ふさがりの状態に陥ります。
ひたすらに、規制緩和、規制緩和と声高に叫べば、規制の持つ本質を活用できなくなります。何をもって規制緩和とするのか。その点を明確にして、規制すべき処は規制すべきなのです。
これまでの保護主義は、関税障壁によって自国の産業をただ守ろうとしているのに過ぎません。結果的に、市場や生活を疲弊させてしまったのです。結局、関税だけで市場の健全さを守ろうとしても、国民の生活を保護している事に結びつかない。

本来の保護する対象は市場であり。保護主義的施策は、石油価格の暴騰や株価の暴落、為替の乱高下と言った急激な環境の変動や会計制度等の制度的な歪み、労働条件や物価の違いなどから市場を保護することを目的とするべきだと私は、解釈します。
自由化というのは、市場環境を無防備な状態にせよという事を意味しているのではありません。むしろ、自由化すればするほど規制和を強化しなければならない分野が出てくるのです。例えば、食の安全です。また、規制が競争力を削ぐというのも誤解です。日本の自動車産業は、欧米の環境規制が強化されたからこそ競争力がついたのです。

なぜこんな事をお手紙するかというと、自分の事を承知していてほしいからです。世に受け入れられたいとか、認められたいなんて思いは最初からありませんでした。でも、先にも述べましたように、経済の乱れは結局戦争の惨禍を招きます。
だからこそ経済なのです。その点だけを解っていてほしいのです。

今のまま手を拱いていれば、間違いなく、日本は、世界から見捨てられる。そして、世界は、日本という不良債権を清算しようとする。そういう際に日本は立たされていると思えば見えないところも見えてくる。その象徴問題が領土問題ですね。日本を世界が必要としているならば、簡単に領土問題など表面化しませんよ。
現実を見ないと・・・。日本人は、世間知らずすぎる。            草々
平成25年3月16日(土)

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